
獲得名刺を100%有効活用! 展示会のお礼メールを商談につなげるポイント
BtoB企業では、新規リードの獲得を目的に展示会に出展する企業が多いのではないでしょうか。だからといって、みなさんは名刺の獲得ばかりに注力してしまっていませんか?
確かに、展示会への出展は数多くの名刺情報を得ることができる貴重な機会です。しかし名刺情報を有効活用し、最終的に商談・受注へとつなげていくためには、展示会後の効果的なフォローが欠かせません。これは、近年増えつつあるオンライン展示会でも同様です。
そこで今回は、アフターフォローの第一歩といえる「お礼メール」を商談へとつなげるための、ポイントをご紹介したいと思います。
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展示会後にお礼メールを送るメリット
「お礼メール」は、ビジネスマナーとしてブース訪問のお礼を伝えることだけが目的ではありません。
感謝の意を示すと同時に、ブースで見た商品を思い出してもらう―ここにお礼メールの本当の目的があります。
展示会の来場者は、会場内にあるいくつものブースを回り、そのたびに出展企業と名刺を交換しています。貴社ブースも、そのうちの1つです。
ですから、訪れてくれた来場者の記憶が薄れないうちにお礼を伝え、商品をもう一度思い出してもらい、記憶にとどめてもらいます。
そのために、お礼メールが必要なのです。
そしてこのメールが、見込み客とコミュニケーションをとり始めるきっかけにもなるのです。
展示会後のお礼メールで良好な関係を築く
展示会の主催・出展のお手伝いをさせていただいている弊社の調べによると、展示会の来場者のほとんどは具体的な課題に対するソリューションを求めているのではなく、製品や市場の情報収集を目的にしています。
つまり、展示会で獲得できる名刺情報の中で、すぐに商談につながる来場者はごく僅か。来場者には温度差があるということになります。
しかし、情報収集だけが目的で来場した人も、商談につながる可能性は十分にあります。
なぜなら、情報収集が目的の人たちも、同じようなジャンルが集まる展示会の中で貴社のブースに立ち寄ってくれたのですから、多少なりとも貴社商品に興味を持ってくれているはずです。
展示会のお礼メールをきっかけにコミュニケーションを図り、リードとして貴社商品への興味・関心を育てることで、最終的には商談・受注へとつなげることができるのです。
ブースを訪れてくれた来場者とは、お礼メールをきっかけとして良好な関係を築き上げていきましょう。
お礼メールを送る前の準備
「展示会が終わってからが本当のスタート」とは、アフターフォローの大切さを表すためによく使われる言葉です。
名刺交換後の適切なフォローは欠かせませんが、前述のように、来場者の目的にはそれぞれ温度差があります。
それなのに、温度差を無視してすべての人に同じようなフォローを入れていたのでは、内容がちぐはぐになってしまい、思うような効果を得ることができないかもしれません。
そこで、例えば以下のように獲得名刺をグループ分けしておくことをお勧めします。そうすることで、それぞれに的確なアフターフォローを提供できるようになるからです。
✔︎グループA:課題が明確で、具体的な解決策を求めている
✔︎グループB:将来的に商談につながる可能性がある
✔︎グループC:将来的に商談につながる可能性は低い
グループ分けのコツは、ブースでのヒアリングをきちんと行うことです。
来場の目的や課題感の把握からはじまり、課題が明確になっている場合にはソリューション導入の予算や時期まで会話の中で聞き出しておければベストです。
このような会話の内容を判断基準として、獲得した名刺はその場ですぐにグループ分けしておきましょう。
後述しますが、グループAへのフォローやお礼メールの送信は当日のうちに行います。
グループ分けの基準や当日とるべき行動など、スタッフ同士がルールを事前にしっかりと共有しておき、本番でスムーズに動ける準備をしておくことが大切です。
併せて、お礼メールの文面も事前に作成しておくことをお勧めします。ブースでの会話や紹介した商品の詳細など、相手に合わせた内容を書き加えることも簡単です。
お礼メールはリードの確度に合わせた内容で
では、実際どのようなフォローをしていくべきなのか、先ほどのグループを例にその内容をご紹介します。
グループA:営業チームに引き渡し、即時アポ取り
課題が明確でソリューションの導入を検討しているグループAは、すぐに商談につながるチャンスです。
しかしこの人たちは自社だけでなく同業他社のブースにも足を運んでいるはずですから、競合に先を越されないよう早急な対応が求められます。
お礼メールと並行して名刺情報を営業チームに引き渡し、電話などで即時連絡をとりましょう。
名刺のグループ分けをその日のうちに行うのは、このチャンスを逃さないためです。
グループB:当日にお礼メールを送り、積極的にフォローを継続
獲得名刺の大多数を占めるグループB。今すぐ商談にならなくても、お礼メールをきっかけとして積極的なコミュニケーションで良好な関係性を築き、その後もフォローを継続します。
中長期的な視点で、将来的に商談につながる可能性を高めていきましょう。
お礼メールのタイミングは当日または翌営業日がベスト。記憶が薄れないうちにメールを届けて、貴社の商品を記憶に残してもらうためです。
展示会事務局が提供するバーコードなどによる名刺管理システムを利用した場合には、名刺リストを入手するまでに数日かかってしまうことがあります。
しかしそのような場合でも、1週間以内には必ずお礼メールを送るようにしましょう。
グループC:お礼メールは送りつつ、様子を見ながら対応
将来的に商談につながる可能性が低いグループCはノベルティが目当てで訪れた人、ブースで逆営業をかけてきたような人たちです。
ただ、このグループにもお礼メールは送っておくことをお勧めします。大抵は無反応に終わることが多いですが、貴社のブランドイメージ向上につながる可能性があるからです。
コミュニケーションにより貴社や貴社の商品に好感を持ってもらえれば、他所での会話でふとした拍子に名前を出してもらえるかもしれません。
展示会お礼メールの例文をご紹介
文面は読みやすく、シンプルに
お礼メールは、開封して1スクロールで全文を読めるくらいの長さが理想です。
文面が長くなりすぎると流し読みになってしまったり、途中で読むのをやめてしまったりする可能性があるからです。
リードとのコミュニケーションのきっかけとなるメールですから、セールス色が強すぎる内容も避けるべきです。
読みやすく、シンプルにまとめましょう。
メールの内容は、確度の低い「グループB」と「グループC」のリードを中心に考えます。
とは言え、感謝の気持ちを伝えることと、出展商品のリマインド程度で十分です。
加えて、日々の業務に役立つお役立ち情報や事例紹介、資料請求のページがあれば、そのリンクを貼っておくことでリードの反応を見ることができます。
当日の様子をより鮮明に思い出してもらうためには、ブースや会場の様子を写した写真を掲載するのも良いかもしれません。
お礼メールの例文
件名:○○様【展示会名】ご来場のお礼
<相手の会社名>
<相手の氏名>
<貴社名><氏名>と申します。
本日はお忙しい中、「展示会名」の弊社ブースにお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
今回ご紹介した〇〇について、より詳しくお知りになりたい方は下記よりご覧ください。
弊社ブースの主な展示商品
商品名
■商品詳細のURL
商品名
■商品詳細のURL
ご不明な点などございましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
また、商品の導入事例や日々の業務効率化に役立つ情報も、弊社WEBサイトにてご紹介しております。
是非ご覧ください。
■貴社サイトのURL
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
<署名>
このような文面を事前にひとつ用意しておけば、グループBとCには名刺情報を入れ込むだけで簡単に送信ができます。
また、確度の高いグループAのリードなどには、一括配信とは違った文面を送りたい場合があるかもしれません。
その場合でも、ここにブースで交わした会話や紹介した商品の詳細など相手に合わせた内容を書き加えることで、オリジナルなメールに仕上げることができます。
お礼メールから商談につなげる
お礼メールを送ったからといって、リードからの反応を待っているだけでは商談にはつながりません。
メールを送った後はメール開封率やリンクのクリック率、WEB訪問のデータなどを分析しながら、リードの確度を見極めたコミュニケーションを継続していきましょう。
前述のように、確度の高いグループAのリードには、営業チームが直接コンタクトを取って商談フェーズへと進めてもらいます。
B・Cグループのリードに対しては、継続的なコミュニケーションで徐々に育成していきましょう。
メールに対する反応を見ながら、展示会の出展レポートや、日々の業務に役立つ情報、セミナーの案内などを提供していくのが効果的です。
コミュニケーションを続けることで貴社の商品に対して興味・関心が深まり、購買意欲が高まった際には比較検討の土俵に上がることになります。
そして、最終的には商談へとつなげることができるでしょう。
育成のコツは、焦らないこと。
中長期的な視点で、将来的に貴社商品のファンになってもらえるようなコミュニケーションを心掛けましょう。
お礼メールで獲得名刺を100%活用!
将来的に商談になる可能性をもつ名刺を大量かつ効率的に獲得できるのが、展示会ならではのメリットです。
この展示会で獲得した名刺情報は、お礼メールとそこから始まるコミュニケーションのタネとして100%活用できます。タネは確度を見極めながらじっくり育てて、商談・受注へとつなげていきましょう!